異種メッシュによる骨造成の基礎研究

 骨欠損回復によりデンタルインプラントにより咬合の回復を図ることが可能になったことから骨造成を行う手術は増加してきている。骨造成では、欠損部位の安定が求められるために多数の症例にチタンメッシュが用いられ、良好な結果を得てきている。物性、生体親和性から有用な材料であるが生体からの撤去を要する。そのために加水分解により吸収されるPLLAメッシュが使用され始めた。しかし、チタンが有している骨伝導性をPLLAは有していない。PLLAに骨伝導性を付与するためにHAを含有させたuHA/PLLAメッシュが開発され使用され始めている。  このような多種の材料では、細胞単位においてはどのような差異または変化が生じるているのかについて報告はない。そのため、動物を用いて人工的に骨欠損を作製し、それぞれのメッシュの治癒過程を観察していく。この基礎実験により骨造成の機序に、それぞれの材料が作用しているかを把握することができる。このことは骨補填材との相乗効果またはよりよいメッシュ材の開発の一助となる。しいてはこの研究により多くの咬合治療が可能になり、歯牙喪失後の患者のQOLの向上に貢献すると確信している。